
★第1回・若鳩の馴致①
いかに優れた銘血バードを持っていようと「管理」なくして勝利はない。というわけでPOPPO.NETは、レース鳩の管理基礎講座を開設いたしました。講師には鳩歴50年以上の大ベテランにして、クラウン賞、ゴールド賞、シルバー賞の3冠をも果たした「鳩界の若大将」こと及川 茂氏。管理についてQ&A方式で答えて頂きました。第1回目となる今回は、若鳩の馴致がテーマです。
A. 脇の毛がしっかりと生えたタイミングで巣立ちさせます。目安は生後25日です。展望台のある巣立ち室に移動し、置き餌で餌を与えます。1日くらい食べないこともありますが、2、3日でしっかり食べれるようになりますから心配しないで下さい。ただし水だけは注意した方がいいでしょう。飲みたくても飲み方がわからないヒナが必ずいます。そういうトリは「飲みたい」と思ったら目を細めます。合図が出ましたら、飲水器で飲ませてあげてください。1度、飲ませ方を教えればそのヒナはきちんと学習してくれます。
A. 鳩舎の出方、入り方を教えるトラップ訓練というものを朝夕各1回行います。生後30日くらいですね。トラップの外にヒナを出しあげると、自ずとトラップから出たり入ったりするようになります。2日間もすれば入舎、出舎というものを覚えてくれますね。そうしたら今度はトラップを閉めてヒナを屋根の上に出し遊ばせます。時間は30分。それ以上外に出していると、屋根をつたって移動したり、悪いクセがついてしまいます。だから30分以内に必ず入舎させます。
A. 口笛だと感情があらわになり、鳩が警戒してしまう恐れがあります。だから呼び込みは安定した音を出せる「笛」を使って行っています。笛を使って鳩舎に呼び込んだら必ず餌を与えます。鳩――というより動物の調教の基本は「餌」にあります。餌が食べれるとわかれば、鳩は自然に集まってきます。「笛が鳴れば餌が食べられる」ということを覚えこませれば、言うことを聞かないで飛び回ることなく、すんなり入舎してくれるようになります。
A. 鳩は生後45日くらいで飛ぶようになります。だから屋根の上で遊ばせてから1週間くらいのタイミングで飛ぶきっかけを作ってやります。そのきっかけとは、ちょっと棒で追ってやるんです。そうすると飛んでくれるんですね。10分から20分は飛んでくれるかな。旗を立てればもっと――40分は飛んでくれます。ヒナは甘えん坊だから、そういうことをしてやらないときちんと飛ばないんです。棒を使って追うこと朝夕各1回ずつで2、3日もすれば、1時間は飛ぶようになりますね。
A. 近場を飛んでいる分なら問題ありませんが、遠征にいくようになると、他の集団と混ざって失踪する確率が高くなります。だから朝の舎外を止めて夕方1回にします。近年だと夕方に飛ばす方が少なくなっていますからね。もし夕方できなければ、周りが飛ばす時間をずらしてやればいいだけ。要は他の舎外と混ざらなければいいわけですから。といっても猛禽類の増加もありますので、失踪0というのは難しいでしょう。ただこのやり方は無駄に落とす確率を落としてくれるのは間違いありません。
レース歴:53年
翔道:6段
鳩舎規模:選手鳩120羽/7坪 種鳩70~80羽/16坪
主力系統:若大将系 及川シャンテリー系
代表翔歴:クラウン賞、ゴールド賞、シルバー賞
プリンスレース1000K当日総合優勝他総合優勝多数
ホームページ:若大将のホームページ
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