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会心の大記録! 三代連続連盟制覇 関口達夫鳩舎

写真●POPPO.NET 取材・文●POPPO.NET

 選手、種鳩合わせて5坪、スタート羽数は40羽――。いわゆる小規模鳩舎でありながら関口達夫氏は、常に連盟上位に食み、近年では上州Rg総合優勝、そして2007年、2008年と西関東GP2年連続連盟優勝など華々しい翔歴を持つ。そして今春、中距離の華・地区Nで見事総合優勝を達成。しかも選ばれし競翔家しか成しえることのできないビッグドリームを掴む。3代連続連盟制覇――。自身7度目の連盟優勝を運んできたヒロインの父はGP連盟優勝鳩、そして父方祖母は地区N総合優勝鳩だったのだ。会心の大記録を樹立し、関口氏のピジョンライフは充実一途を辿る。
親・子・孫3代連続700Kレース連盟制覇の偉業!
  親・子・孫の3代連続連盟優勝――。選ばれし者にしか抱くことさえできないビッグドリームを今春叶えた競翔家がいる。それは全国トップクラスの連合会「群馬中央連合会」において、小規模でありながら強豪の地位に君臨する関口達夫氏だ。
 しかもそれは誰しもがアタマを狙う中距離の華・地区Nで実現された。もともと関口氏は海越えレースを意識して戦っている。そのため、しかけるのは前戦のRgから。地区N前の調整法は、強制舎外で飛ばし込み、持ち寄り1週間前に脂肪分を少量増やす。ところが今春はいつもと違った。猛禽類が頻繁に出現したため、鷹が追いまわしてくれたのである。あえて旗を使うことなく、ベストに仕上げることができた。
 がしかしここでアクシデントが起きる。天候不順により日延べ――でなく持ち帰りとなったのだ。再レースは2週間後のGPと同日開催となる。この仕切り直しに戸惑いはあったが、ペースを崩さないよう同様の管理を心がけた。舎外は猛禽類に委ね――とはいえオーバーワークにならないよう、時には休息日を設け、また念の為、体力の回復にとニラを与えた。残る不安要素は、Rgの開催日から数えると1ヵ月以上のレースがない状態ということだ。レーサーに緊張感を保たせる意味で1レース作り――150キロの合同訓練を地元の強豪・新井幹男氏らと行い、持ち寄り1週間前にも個人で50キロから打った。結果、コンディションのキープに成功する。
「全国でも名が知られる、ある強豪も全体的にいいコンディションだと褒めてくれましてね。中でも飛びぬけていいやつが1羽いると言っていました。これは来るぞって」。
 アタマに帰ってきたのはまさにそのトリだった。オールド環の2011年生まれ。関口氏も2番目にマークしていたエース鳩である。帰還は午後4時30分を過ぎてから。1番時計より3秒遅れでの打刻となったが、実距離の差で逆転。自身にとって実に7度目となる連盟優勝に輝いた。そして関口氏はこのトリの血統を見て、総合優勝以上に大きな価値があることに気づく。優勝鳩の父親は2007年西関東GPで上武連盟優勝を果たした俊鳩で、その母親もまた地区Nで総合優勝したレーサーだったのだ。つまり親・子・孫の3代連続700Kレース連盟優勝――。親子2代さえ至難の業と言われる中、3代連続という離れ業を成し遂げたのである。
 父鳩の2007年GP連盟優勝「06JA07330(ローセンス、ファブリー、スマル、ヤンセン、トレスコーの混成血統)」は、もとは2008年のGPを制したもう1羽の連盟優勝鳩(ファンブリアーナ、フェルハイエ、モスキートの混成血統)とカップルであった。2011年春にその直子が300Kで連合会優勝するなど活躍鳩が生まれていたが、関口氏はさらなる高みを求めて、あえてこのカップルを解消。2007年のGP連盟優勝のパートナーには2006年生まれのメス鳩――フェルストラーテの代表チャンピオン「ウノ(ブールジュN優勝)」の娘に1997年千翔会GPの総合優勝鳩をクロスした「06HF36621」を選んだ。
 そもそも関口氏はこのフェルストラーテの筋で成果を上げたことがあった――正しくはレース中断時(1990年~1997年)に鳩友に預けていたフェルストラーテ系の種鳩から高松宮杯の連盟最高分速バードが誕生していたのである。そのため、ヤンセン、グロンドラースの銘血を組み込んだこのスピードラインを再開時には迷いもなく採用。その時の印象から2007年に地区N総合優勝鳩の母を導入する。種鳩として大きな翔歴を残すことはなかったが、いつかブレイクしてくれると強く信じていた1羽だった。
「使い続けていたのは、血統的なこともありましたが、ボディ、筋肉が素晴らしかったという部分も大きかったですね」。
 関口氏が惚れたその肉質は、地区N総合優勝鳩にも継承されていた。掴んだ瞬間に弾かれるほどに発達した胸筋。しかも明らかにスピードタイプでありながら、連闘もきく柔軟性も兼ね備えていた。その証拠に地区N帰還後、すぐに完全回復。ファイナルの東日本CHに投じようか迷うほどにコンディションが上がっていたと言う。
関口氏にとって期待の交配で――かつ3代連続海越えレースの連盟制覇という会心の大記録を樹立しただけにその喜びは計り知れない。がしかし――彼の夢はここで大きく広がったようだ。
「4代連続連盟優勝を狙おうと思っています。そしておそらく果たされれば日本初になると思うのですが『5代連続』を目標にこれからも鳩レースに打ち込んでいきたい」。
関口氏のスタート羽数は40羽平均だと言う。鳩舎規模が大きくなくともビッグな夢を実現できるところにピジョンスポーツの魅力がある。

WINNER in 2012 Spring

上武連盟主催地区N総合優勝
10JA03709(オールド環)
B ♀ 関口達夫鳩舎作翔

2012年春上武連盟主催地区N555羽中総合優勝
   (実距離:707.647km/分速:1144.504m)
※親・子・孫の3代連続連盟優勝達成!
      上武連盟主催Rg500K832羽中総合125位
父) 06JA07330 B 小保方伸吉鳩舎作 関口達夫鳩舎使翔
   2007年西関東GP965羽中総合2位 上武連盟優勝
   直子/2011年春上武やよい賞300K優勝
祖父)98HH07125 BC 小保方伸吉鳩舎作翔 西関東CH900K総合19位
祖母)チャンピオンガール 01JH24105 BC 小保方伸吉鳩舎作翔
2002年上武地区N700K総合優勝
全国品評会チャンピオンクラス♀鳩部門1席
母)06HF36621 B 石島 孝鳩舎作
  兄弟の直子/地区N700K総合優勝
祖父) グランプリボリュート号 根本敏司鳩舎作翔 1997年千翔会GP800K総合優勝
祖母)B01-4332141 B ルド=フェルストラーテ作
ウノ(ブールジュN優勝)

【2012年春・関口達夫鳩舎の総合レースにおける活躍】

★関東地方部主催東日本CH1000K 136羽中上武連盟6位
★上武連盟主催地区N700K 555羽中総合優勝(連合会優勝)、35位
★上武連盟主催Rg500K 832羽中総合93位、97位、106位、125位
★上武連盟主催アジア鳩協連盟会長賞400K 936羽中総合32位、40位、48位
★上武連盟主催やよい賞300K 1,376羽中総合21位、71位

★上武連盟主催スプリント200K

1,999羽中総合26位、52位

■関口達夫鳩舎(群馬中央連合会)
 〒379-2222 群馬県伊勢崎市田部井町3-2037-3 ℡:090-1605-5065


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