勝利の循環は続く…! 東京・神奈川連続制覇! 柴田茂昭鳩舎 part2
■柴田茂昭鳩舎(東京南部連合会) 〒144-0034 東京都大田区西糀谷4-16-13 ℡:03-3742-2946 e-mail:snakeheadjp@yahoo.co.jp
2018年はRg総合優勝、2019年には桜花賞をワンツーで制し、「日本優秀鳩舎賞」までも射止めた柴田茂昭氏(東京南部連合会)。「勝利の循環」は、2021年も継続され、連盟の枠を超えて、東京、ニュー神奈川の2ブロックを舞台とした地区N、GPで“連続制覇”という離れ業を演出する。これで2回連続「日本優秀鳩舎賞」が現実味を帯びてきた柴田氏。その軌跡を2回に分けて紹介する。
驚きの2戦連続東京&神奈川制覇!
「地区Nを制したことで、正直気が抜けしまいました(笑)」。
レース鳩はオーナーの気持ちに反応するものだが、それすらも反映されないほど、柴田茂昭氏(東京南部)のレーシングチームは、“ゾーン状態”に入っていたのかもしれない。しかも地区Nと同じ調教内容に2回の訓練を加えたことで、明らかに地区N以上のコンディションでGPに参戦となった。
2021年のGPは東京、ニュー神奈川両ブロック合同の「飛翔会」のCHレースと併催となり、参加羽数は計2422羽。柴田氏は、産卵したメス鳩を外した80羽で臨んだ。北海道長万部を放鳩地とするこのGPは、予定より1日前倒しの4月2日に開催。6時10分にリリースされた。この日は高気圧に覆われたものの、前線の影響で曇りとなった地域もあった上、高温逆風の耐久展開となる。柴田氏の下に1番手が帰ったのは、4時25分。これが大会1番時計となる。
「それから、鈴木(信義)さんを経由してどんどん帰還情報が入ってきました。今度は河原(雅基)さんのもわかったので、自分の帰還時間と比べてみて、審査前から総合優勝かな、と期待していましたね」。
結果は柴田氏の手応え通り。2戦連続で総合優勝、なおかつ東京、ニュー神奈川両ブロック制覇という離れ業を演出した。
「とはいえ、まさか人生で2度も飛翔会のトップを獲れるとは夢にも思いませんでした」。
柴田氏にとって驚きの飛翔会制覇をもたらしたのは、20年生まれのメス鳩で、今春のRgと地区Nで10%内入賞を果たしているCHだ。父親もRgとGPで5%内入賞のエースピジョンで、輸入CH同士の交配で作られたRg総合優勝鳩の全兄弟。つまり、ヨーロッパで一大ブームを巻き起こした「ブリクセム」の父方祖父であるガビー・ファンデナベールの基礎鳩「ウィッテンバイク」の血も流れている。地区Nでの成果を含めると、もしかしたら父方祖父母の「NL05―1436545×13MA07232」は、当たり配合かもしれない。
総合優勝鳩は鉄板の配合式にして、スピード系の銘血統!

D&マタイス、ヤンセンの銘種鳩「ウィットスラッグ」の軌跡の血量交配で誕生した「オキドコ」。全兄弟のみならず、直系に19年の中距離Pエースピジョン賞1位、若鳩Pエースピジョン賞1位、オリンピアード代表、キエブランN20,019羽中優勝、フォントネーN11,357羽中優勝、デッフェル15,587羽中優勝他。スーパー種鳩だ。
一方の母鳩の「ミア」は、キエブラン優勝を含め短距離で幾度となく入賞を重ね、若鳩のエースピジョンたるものを受賞した“スーパーレーサー”だ。血統は、ファンダイクの「カニバール」のDNAがコープマンの代表鳩 「マイティーマン(*万羽レース優勝2回、2位1回、4位1回/ゴールデンレディの直仔)」や「ジェルソン(*2013年オリンピアード長距離部門代表/クライネディルク、アンネリーズの各曾孫)」、「エルマンズホープ” (*2003年オリンピアードオールラウンド部門代表/ゴールデンレディの孫)」を経由して幾度となく重ねられ、なおかつ作翔者であるピーター・クランスの基礎鳩「オキドコ」とその兄弟が絡んでいる。ちなみに2019年のポズナン・オリンピアード長距離部門代表鳩などのスーパーCHをあまたに生み出した「オキドコ」は「レオナルド×ティンカーベル”」という「ヤンセン」、「D&マタイス」の混成系銘ブリーダー「ウィットスラッグ(*優勝多数の父)」の「曾孫×孫」――奇跡の血量交配で作られており、ゆえに全兄弟には2018年のWHZB長距離Nエースピジョン賞2位「オキドキ」、短中距離レース優勝3回の「スパイクカッチェ」、2009年の長距離プロヴィンシャルエースピジョン賞1位に選出された「ボーギー」といったスーパーエースピジョンが多数誕生している。柴田氏的には2019年の桜花賞総合ワンツーなどを体現した「自鳩舎CH×輸入CH」という自鳩舎の鉄板式で交配したという意識しかないが、「鳩レース=ブラッドスポーツ」とあって、その背景は当日決着にふさわしくスピード系の銘血で固められていた。
「日本優秀鳩舎賞」が眼前に…!
柴田氏はGPで総合3位にも入賞している。2番手は1番手から30分以上遅れての帰還とあって、当人的にはかなりの予想外の結果だったようだ。総合3位の「20MA00169」は、今シーズンの300K優勝鳩である。父親はジノ・クリケ作で、2014年KBDBナショナルエースピジョン賞長距離・若鳩部門8位の「アレクサンドラ」の甥っ子。「ピラート」の父方祖父にして源鳩の1羽「ロベルト」の筋が絡んだレイナートの「ゴーン」の重近親鳩となっている。母親はオランダ産の優勝鳩で、2019年のオリンピアード中距離部門オランダ3位の「オリンピックウィリー」生み出した“シク”と“マセラティ”の直系。一族からは短中距離の優勝鳩やエースピジョンが多数輩出しており、系統名は明確にはなっていないが、明らかにハインスマン共同鳩舎が誇る一線級の飛び筋だ。
さて今回の地区NとGPの成果によって、柴田氏は今シーズンの目標としていた「日本優秀鳩舎賞」が現実味帯びてきた。合計入賞率は「3%」台。最後の規程レース「桜花賞」の結果次第では、ベスト3内も夢ではない。そのため、柴田氏は関東三大長距離レース「桜花賞」に全戦力36羽を投入するそうだ。2度あることは3度あるという諺があるように、2戦連続東京・神奈川制覇という快挙を成し遂げてしまったとあって、「3連勝」を実現してしまいそうな勢いが柴田氏にある…!
2021年春飛翔会CH3,563羽中総合優勝・東京ブロックGP2,422羽中総合優勝
20MA00053 B ♀ 柴田茂昭鳩舎作翔
2021年春
飛翔会CH3,563羽中総合優勝・東京ブロックGP2,422羽中総合優勝(実距離776.341K/分速1,262.070m)
東京東地区N1,353羽中総合45位
東京東Rg1,804羽中総合124位
Father | Grandfather |
17MA02155 BW 柴田茂昭鳩舎作翔 17年秋東京東Rg857羽中総合16位 18年東京ブロックGP771羽中連盟35位 全兄弟/18年春東京東Rg総合優勝 |
NL05-1436545 B グローエン兄弟作翔 ペロンヌProv.2,063羽中2位 ストロムベークProv.2,184羽中3位 デュフェルProv.2,702羽中10位 |
Grandmother | |
13MA07232 BW 柴田茂昭鳩舎作翔 14年春東京東Rg500K総合19位 ランス2,058羽中優勝、シャルルヴィル1,957羽中 優勝(ガビー・ファンデナベール系)× アルロン1,081羽中優勝(フェルカメン系) |
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Mother | Grandfather |
ミア NL18-1781321 B ピーター・クランス作翔 キエブラン132羽中優勝 ローゼンダール2,166羽中9位・Prov.11,898羽中24位 デッフェル1,623羽中11位 フォンティジ126羽中4位・Prov.2,564羽中39位 CC若鳩賞9位 |
モレーノ NL16-1358079 B R・A・バッカ―父子作 純コープマン系 コンラド(ポンメール7,345羽中2位/エルマンズホープの孫)の直仔× (13年オリンピアード長距離部門代表鳩のジェルソン× マイティーマンの娘) |
Grandmother | |
NL15-1586085 B ピーター・クランス作 オキドコ(レオナルド×ティンカーベルの直仔)の直仔× オキドキ姉妹の娘 全姉妹/シャトー912羽中優勝、シャトーダン1,202羽中5位他 アルジェントン1,168羽中5位 |
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2021年春飛翔会CH3,563羽中総合3位・東京ブロックGP2,422羽中総合3位
20MA00169 BLKCW ♀ 柴田茂昭鳩舎作翔
2021年春
飛翔会CH3,563羽中総合3位・東京ブロックGP2,422羽中総合3位(実距離776.341K/分速1208.721m)
300K優勝
Father | Grandfather |
B16-3144113 BLKCW ジノ・クリケ作 | アレクサンダー B15-3050584 DCWP イスダン11,984羽中15位 シャトロー29,591羽中123位 源鳩ゴーンの曾孫×曾孫 異父兄弟/アレクサンドラ (KBDB長距離Nエースピジョン賞若鳩部門8位) |
Grandmother | |
B14-3028482 BC リモージュN5,963羽中107位 カオールN6,164羽中393位 ツールProv.956羽中74位 ポワチェProv.優勝の直仔(スーパーロベルトの孫×プリンスの孫)× カニバールの直系 |
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Mother | Grandfather |
NL18-1587322 B メ―2,586羽中優勝・6,458羽中14位 キエブラン3,253羽中20位・7,769羽中20位 全兄弟/デッフェル2,170羽中優勝・5,125羽2位 アッセゼリック1,821羽中19位・4,343羽中64位 |
ニューセンセーション NL12-1115027 B ハイスマン共同作翔 モーンクーン171羽中優勝 ポメロール1,245羽中2位 サンカンタン2,944羽中8位 ミスターブロア(ブロアN4位/アイヤーカンプ作の直仔)× ド317(Prov.エースピジョン賞5位・ポロメール8,776羽中優勝/ 下記オリンピックウィリーの母方祖母の基礎鳩シックの娘) |
Grandmother | |
ド934 NL16-1100934 BC ハイスマン共同作翔 異父兄弟/ブラウエ・ファンヘール (短距離エースピジョン賞1位、 オールラウンドエースピジョン賞1位、 Prov.エースピジョン賞5位) 17-122(若鳩エースピジョン賞1位) 異母兄弟の直仔/オリンピックウィリー (19年ポズナン・オリンピアード中距離部門オランダ3位) |
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