北陸の飛び筋の塊で生み出された地元鳩界2羽目の“日本一” 吉田憲二鳩舎

北陸の飛び筋の塊で生み出された地元鳩界2羽目の“日本一” 吉田憲二鳩舎
■吉田憲二鳩舎(金沢連合会)
〒923-0961 石川県小松市向本折町ワー141 Tel 090-9444-5345

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レース歴8年目でありながら、GP連盟優勝2回、2016年には桜花賞で総合優勝を果たしている。気鋭・吉田憲二氏(金沢)は、2018年春、雨に見舞われた桜花賞で総合優勝を果たし、併催の北陸ブロックCHでも堂々トップに立った。しかしこの1羽は、なんと桜花賞の持ち寄り日に産卵を終えたばかりで北海道に送り込まれたらしい。愛する我が子に会おうという気持ちで肉体的ハンデを超越したのだろうか…。ともあれ雨中のレースを制したことで“雨姫”と命名されたCH総合優勝鳩の「16RB01437」は、地区Nでも自鳩舎1番手に帰って総合シングルに輝いており、ベルギー王立愛鳩家協会会長賞の連盟1位を獲得。入賞率で惜しくも全国優勝には届かなかったものの、Rgでの好成績からむしろそれ以上の名声――「日本一のレース鳩の称号」を得た。北陸鳩界史上2羽目、そして北陸南連盟から史上初の日本エースピジョン賞全国1位鳩がここに誕生!

地元鳩界の飛び筋を集約した会心の1羽!

言わずと知れたレース鳩の最高賞「日本エースピジョン賞」は、1羽を対象とし、異なる距離の3レースの入賞率により、競われるアベレージタイトル。授賞の範囲は、上位10羽だが、最短でも400Kであることに加え、レース鳩の生まれながらの血統的な適性の距離を踏まえれば、いかに困難な条件であるか容易に想像できる。故に全国から10万を超える鳩が参加する大所帯の賞レースにも関わらず、規定をクリアできるのは、毎年僅か20羽にも満たない、まさに狭き門となっている。

そして、全国的にも厳しいレースが続いた2018年度に“銘鳩”の称号を手にしたのは、たったの7羽しかいないのだが、その中でもトップの入賞率を上げ、名実共に「日本一」に輝いたのが吉田憲二氏(金沢)作翔の「16RB01437」だ。北陸南連盟としては初の快挙となるだけではなく、北陸鳩界にとっても1994年の“カモメエース”(上楽秀雄鳩舎)以来、24年振りの「日本エースピジョン賞」1位を獲得した。

“雨姫”のニックネームを持つニューヒロインは、決して若鳩時代から際立っていたわけではなかった。しかし、2歳鳩となった2018年春から徐々に頭角を現わす。「ベルギー王立愛鳩家協会会長賞」狙いのエースとして参戦した「桜花賞」では、産卵と持ち寄り日が重なるアクシデント。さらに2日目は雨に見舞われる乱戦模様にも関わらず、逆境を跳ね除けるように1番手で打刻する。結果、異父姉と同じく「桜花賞」を制した上、筆頭に併催の北陸ブロック連盟CHでも総合優勝。“雨姫”の由来はここにある。なお目標として掲げていた「ベルギー王立愛鳩家協会会長賞」には、全国2番目の好入賞率で連盟1位に輝いた。

入梅の6月(16年)生まれもまた“雨姫”らしい。3番仔で体型・性格こそ秀でた特徴はないが、そのルーツはここ北陸鳩界でオールラウンドに実績を残してきた“飛び筋”の集大成と言っても大袈裟ではない良血だ。作出の意図は600Kに照準を合わせていながら成績のピークが900Kと、思惑からは外れていたが、母鳩(GN連盟3位)とその直仔(2016年の桜花賞)を見れば、長距離で成果を上げたことは十分納得できる。加えて父方祖母に流れるフェルテルマン父子の“コース”の筋も大きく影響している可能性も高い。オランダの伝説的種鳩“ローイ50”を生み出した“353”の孫鳩にあたる“コース”の血は長距離レース、とりわけ雨や逆風といった超耐久戦に真価を発揮すると言われ、東日本最西と言われる西関東ブロック連盟に所属するあるレースマンがいずれも耐久戦となったGNとCHで総合シングル鳩を生み出すというレジェンド級の活躍を見せたことは有名な話だ。

今年1月に行われた鳩協・総合表彰式に出席した吉田憲二氏(左)。先輩の浅野文男氏と共に受賞の喜びをわかちあった。

今年1月に行われた鳩協・総合表彰式に出席した吉田憲二氏(左)。先輩の浅野文男氏と共に受賞の喜びをわかちあった。

その一方で3レース3%内入賞という安定感を示せたのは、かつてGN総合優勝2回の怪物“カモメミラクルクィン”や27年前の北陸発の日本一のレース鳩“カモメエース”を生み出した「“カモメ”ライン」や究極の称号と言われている「スーパーエクセレントピジョン」をここ近年で2羽生み出した(*ブラックシャンテリー若大将号リヒテ若大将号)“海老稚内系”といった、いわゆる「エースピジョンファクトリー」たちの因子によるものだと捉えていいだろう。

作翔者である吉田氏は、10年に満たないキャリアでありながらも総合優入賞多数、GPと桜花賞にいたってはそれぞれ2回連盟制覇を成し遂げたまさに新進気鋭だ。しかもうち桜花賞にいたっては兄弟での成果である。作出と競翔、そして系統作りの観点からこの日本一のレース鳩“雨姫”の誕生を吉田氏はどう位置付けていくのか、注目したいところである。

2018年度日本エースピジョン賞全国1位&ベルギー王立愛鳩家協会会長賞連盟1位

雨姫
16RB01437 BC ♀ 吉田憲二鳩舎作翔
2018年度
日本エースピジョン賞全国1位
ベルギー王立愛鳩家協会会長賞連盟1位
北陸南連盟エースピジョン賞1位
北陸ブロックCH900K総合優勝・北陸南桜花賞187羽中総合優勝(実距離949.470K/分速979.087m)
北陸南地区N600K643羽中総合5位、北陸南Rg400K1,253羽中総合30位

16RB01437BC

Father Grandfather
10RB02355 RC 杉田政雄鳩舎作
同腹の直仔/地区N総合7位、21位
04RB00200 B 柳沢一成鳩舎作
五冠レース7位の“クリスタルキング”近親
直仔/桜花賞総合9位
Grandmother
09RB04046 BC 藤原昭男鳩舎作
フェルテルマン系
ボルドーN優勝・コースの異母兄弟の直仔×
クライネンリヒテ(上記コースの直仔)の娘
孫/Rg総合10位、連合会エースピジョン賞3位
Mother Grandfather
09RB01186 B 下道隆章鳩舎作
12年GP700K12位、13年北陸ブロックGN1100K連盟3位
直仔/16年桜花賞総合優勝
04RB06506 S 河村栄作鳩舎作
カモメライン、海老稚内系
Grandmother
08DA23264 B 下道隆章鳩舎作
北陸ブロックCH総合14位(アルジェントンN優勝の孫)×
       GP7位(ブロンカールト作の直仔×岩田系

2016年北陸南桜花賞総合優勝/北陸ブロックCH380羽中総合3位

14RB07551 B ♀ 吉田憲二鳩舎作翔
2016年北陸南桜花賞252羽中総合優勝(実距離949.470K/分速790.566m)

14RB07551B

Father Grandfather
03RB00794 BC 中島知之鳩舎作
全兄弟/03年つくば国際鳩舎・
      日本選手権500K全国9位
      広島選手権700K全国7位
00KA60143 PBW 藤原穂臣鳩舎作
直仔/02年八郷国際鳩舎国際親善500K全国52位
Grandmother
99ZB10002 BC 日本鳩レース協会作
INつくばね(八郷鳩舎国際親善鳩レース大会500K全国優勝)の娘
Mother Grandfather
09RB01186 B 下道隆章鳩舎作
12年GP700K12位、13年北陸ブロックGN1100K連盟3位
直仔/18年度日本エースピジョン賞全国1位
04RB06506 S 河村栄作鳩舎作
カモメライン、海老稚内系
Grandmother
08DA23264 B 下道隆章鳩舎作
北陸ブロックCH総合14位(アルジェントンN優勝の孫)×
       GP7位(ブロンカールト作の直仔×岩田系