第3の基軸でタイトルラッシュ! 田辺俊夫鳩舎

第3の基軸でタイトルラッシュ! 田辺俊夫鳩舎

■田辺俊夫鳩舎(群馬中央連合会・翔道4段)
〒372-0022 群馬県伊勢崎市日乃出町1675-10 ℡:090-1669-3762田辺俊夫鳩舎

  ‘田辺ローセンス’という系統を確立し、日本鳩界の頂点――クラウン賞を獲得した田辺兄弟鳩舎。諸事情により3年ほど中断したものの、昨秋より「田辺俊夫鳩舎」としてリスタートを切る。そして今春、わずか25羽スタートで見事地区CH賞の規定をクリア! 日本鳩レース協会が制定するエースピジョン賞「会長賞」と「ベルギー王立愛鳩家協会会長賞(総理大臣賞に替わる)」の受賞を決めた。「鳩レースは血統が9割」という田辺氏のモットーに従い、今春の勝因はやはり自系統‘田辺ローセンス系’! 中断期に管理不十分で多くの種鳩を失うという憂き目に会いながらも、ミレニアムに2つのナショナル優勝を果たしたルネ=ルフェブルの‘ロンシャン’という新たな基礎鳩を中心に‘田辺ローセンス’は勇躍した。

25羽スタートで地区CH賞規程クリア!

  弟の修氏とタッグを組み〝田辺兄弟鳩舎〟として、日本一の称号・クラウン賞に輝いたのは、1995年のことだ。かつて鳩飼いの頂点に立ったレースマンが、約3年の中断を経て、昨秋、兄・俊夫氏は「田辺鳩舎」の看板を掲げ、カムバックを果たす。だが万全の準備を喫して――というわけではなく、むしろ空白の期間、管理という管理が全くできなかったため、再開にあたり種鳩の大半を使いものにならない状態にしてしまった。その影響で作出数は激減し、今春のスタートにいたってはなんと25羽…。厳しい状況であった

「それでも周囲はやって当然という雰囲気だし、私もやるからには恥ずかしい戦いはしたくなかった。タイトルは意識して戦っていましたよ」。

 クラウン賞鳩舎としてのプライド――。Rg、地区Nで総合シングルを重ね、東日本CHでは4羽参加で全鳩帰還、かつ3羽上位入賞を果たすなど、抜群の総合力を発揮した。そして日本鳩レース協会が制定しているエースピジョン賞――‘会長賞’、‘ベルギー王立愛鳩家協会会長賞(総理大臣賞に替わる賞)’の連盟1位を獲得し、今や狭き門となった地区CH賞の規定までもクリア! しかも、‘受賞間違いなし’の高数値をマークする。

 田辺兄弟鳩舎時代、管理の実務は修氏が担当しており、俊夫氏はあくまで監督的な役割だった。ところが名義を変えたということは、戦略だけでなくハンドリングも俊夫氏自身が担うということ。実際には20年以上ブランクがあった。しかし結果は先述通りのタイトルラッシュ! むしろ最強と謳われたその実力は据え置きだということを証明したと言えよう。

 まるで8ペアで地区CH賞を獲得した1993年の再現だ。当時、血統による成果だと語っていたが、今回の原動力も然り、自鳩舎のオリジナルライン‘田辺ローセンス系’である。田辺氏を日本鳩界の頂点に導いた飛び筋は、その名の通り、マルク=ローセンスが系源。かつ基礎群は、ローセンス全盛期時代の〝旬鳩〟ばかりだ。ラインは大きく2つに分かれ、 ‘ド・370(若鳩エースピジョン賞1位・スピット・フリューの直仔)’と‘ラ・ブルージュ(ブールジュN約18,000羽中優勝)’の直仔‘メラク’の2羽をベースに形成された‘メラク85’ライン。この筋は‘ナショナルボーイ(上州地区N総合優勝)’、‘ド・665(中距離エースピジョン賞1位)’、‘マコビス(アカデミー賞ナショナルエースピジョン賞全国1位)’、‘マルグリッド(西関東CH総合3位)’、‘グレース(西関東CH上州連盟6位)’――俗にいう‘メラク5兄弟’を輩出したことで一躍ブレイクしたのは、記憶に新しい。なお〝ナショナルボーイ〟は、直仔、孫とで上州農水賞600K総合優勝鳩を産み、「3代連続総合優勝」という離れ業を演出している。‘メラク85’のラインはそのルーツに准じており、とりわけ短・中距離レースに強いというのが特性だ。

 もう1つは、‘ラ・モンロー(ブールジュN約7,000羽中優勝のファボリーの娘)’を基点としたライン! 白眉は、1986年から6年間の中断期で作り上げられた90年生まれの‘チビ’である。種用にと生み出されたこのメスは、‘サンパチ(中距離エースピジョン賞2位)’、‘モングレ(上州地区N総合優勝)’といった俊鳩を量産し、‘モンロー’ラインの源鳩として田辺鳩舎に君臨した。大元にヤン・アールデン、デルバールの銘血が流れているがゆえか、‘メラク85’ラインとは異なり、長距離で切れ味が発揮されるのが特徴。なお2000年の西関東CHで当日帰りを果たした上、総合優勝――シルバー賞受賞の決定打にもなった‘x.y.z.fem’もこの‘チビ’ラインから生み出されている。

 田辺ローセンス第3の筋‘ロンシャン’

  果たして2筋で構成されるオールラウンド血統‘田辺ローセンス系’は、先述の通り、地区CH賞クリアの主役として輝きを放った。とりわけ‘チビ’の直仔――‘モングレ’の近親交配で創出された‘はやと’は、上武Rgで総合3位、上武地区Nでは総合2位に入賞! 5ポイントという全国3番目の高数値で会長賞を受賞する。なおこの会心作には、同系異種交配用にと採用したルネ・ルフェブル作――‘ド・ナルボンヌ(2000年ナルボンヌN優勝)’と‘フーベルト(2000年モントーバンN優勝)’の孫鳩‘ロンシャン’も絡んでいた。ローセンスの血が脈打つこのオス鳩は、早くに‘マックスマーラー’という菊花賞最高分速鳩を生み出し、今春にはかの‘ユーロ・ダイヤモンド(2007年オリンピアードマラトン部門1位)’の父親・ジョルジュ=カルトースの‘ド・リモージュ(1991年リモージュN優勝)’近親鳩‘ラ421’との交配で‘こより’というベルギー王立愛鳩家協会会長賞、上武連盟長距離エースピジョン賞の2冠を成したスーパーレーサーをも輩出。その威力は形成者も認めているのであろう。‘ロンシャン’の血統書にはすでに‘田辺ローセンス代表種鳩’という肩書が書き加えられている。イコール、ルネ=ルフェブル作のこのトリは、‘メラク85’、‘モンロー’に続く‘第3の筋’の基礎鳩といって過言ではなさそうだ。

「‘ロンシャン’もそうですが、カルトースの‘ラ421’もこれで総理大臣賞(現・ベルギー王立愛鳩家協会会長賞)を2羽出したことになります。残った種鳩はいいものだと思っていましたが、改めてそれを実感できたし、来年からは、‘はやと’や‘こより’といったCHが種鳩陣に加わります。選手鳩も今以上に層が厚くなっていくのでこれからもっと楽しめますね」。

 目標は昔と変わらない。地区CH賞以上のタイトル――三賞、そして今度は鳩レース協会至高のタイトル「日本最優秀鳩舎賞」を狙っていくという。かくにも日本鳩レース界を盛り上げるヒーローが帰ってきた!

2013年春会長賞受賞

はやと 

12JA04723 BC ♂ 田辺俊夫鳩舎作翔
2013年会長賞受賞
春上武地区N700K304羽中総合2位
上武Rg500K836羽中総合3位


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Father Grandfather
ド46 
07JA1746 B 田辺兄弟鳩舎作翔
代表種鳩
西関東CH920K記録
全妹/マックスマーラー(上武菊花賞500K総合優勝)
ロンシャン
B05-00850 BC レネ・ルフェブル作
直娘/こより(KBDB会長賞上武連盟1位、上武連盟長距離エースピジョン賞1位)
Grandmother
ラ342
06JA10342 B 田辺兄弟作
(エスパース×モングレ)×舞姫(上州Rg総合3位)
兄弟/上州農水賞600K総合優勝、西関東CH総合6位、西関東GN総合8位
Mother Grandfather
ラ70 
06JA39870 BC 田辺兄弟鳩舎作
代表種鳩
ショーネン70 
直仔/高松宮杯500K総合優勝、地区N700K総合優勝
Grandmother
モングレ 
93HH07659 BC 田辺兄弟作翔
代表チャンピオン
上州地区N700K総合優勝
ド70(田辺ローセンス系基礎鳩)×チビ(基礎鳩モンローの近親)
直系/チャンピオン多数有

2013年春ベルギー王立愛鳩家協会会長賞上武連盟1位&上武連盟長距離エースピジョン賞1位

こより 

12JA04757 BCP ♀ 田辺俊夫鳩舎作翔
2013年 ベルギー王立愛鳩家協会会長賞上武連盟1位
    上武連盟長距離エースピジョン賞1位
春上武桜花賞900K98羽中総合6位
上武地区N700K304羽中総合29位


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Father Grandfather
ロンシャン
B05-7000850 BC レネ・ルフェブル作 ローセンス系
直仔/マックスマーラー
孫/はやと(会長賞受賞)
B00-7013658 BC レネ・ルフェブル作
ド・ナルボンヌ(ナルボンヌN優勝)×ド・ナルボンヌの異母兄弟
Grandmother
B00-3100677 BC レネ・ルフェブル作
フーベルト(モントーバンN優勝)の娘 
Mother Grandfather
ラ421 B04-4427421 B ジョルジュ・カルトース作
直子/シスレー(2008年総理大臣賞上武連盟1位)
B96-836 B ジョルジュ・カルトース作
ド・リモージュの孫
Grandmother
B97-970 B ジョルジュ・カルトース作
ド・リモージュの娘