奥住系集大成でGP制覇!そして… 奥住 豊鳩舎 ※ド・ジャック公開!
■奥住 豊鳩舎(埼玉中央連合会・翔道7段) 〒335-0021 埼玉県戸田市新曽1423 ℡:090-1401-8954
13年に三賞の一峰・シルバー賞を獲得し、自身にとって初となる全国レベルの総合タイトルを獲得した奥住 豊氏(埼玉中央連合会)。翌14年にはさらにワンランク上のゴールド賞、そして日本鳩界の最高賞‘日本優秀鳩舎賞’を獲得する。そして今春、奥住氏は300キロ、Rgで中地区優勝を制し、埼玉ブロックGPでは地理的ハンデを乗り越え、自身にとって3度目の総合優勝を達成。‘ダワンス’、‘ローセンス’、‘ジョニ黒’、‘ブロアレーザー’の4本柱で形成される奥住系での成果であった。
不名誉な異名を撤回するために
埼玉連盟の西部に位置しながら、‘ダワンス’、‘ローセンス’、‘ジョニ黒’、‘ブロアレーザー’の4本柱を武器に‘最強鳩舎’として君臨する奥住 豊氏(埼玉中央連合会)。しかし意外にも13年にピジョンジャーナル誌主催の三賞――シルバー賞を獲得するまで、鳩舎として総合力を争う全国タイトルは無縁であった。しかしそこには当人なりの明快な理由がある。 ――全国タイトルに興味がなかったから。 自身の狙うレースだけに集中するといったスタイルで、もしその一戦さえ終われば、シーズン中だろうが、バカンスにいく。奥住氏のポテンシャルからして、連盟優秀鳩舎賞、地区CH賞にまでは届くが、その先にある三賞や日本優秀鳩舎賞まではさすがに難しかったということであろう。 4年前、奥住氏はそのライフスタイルを一転させた。きっかけは、業界誌に掲載されたある自身の特集記事だった。その中で‘無冠の帝王’と揶揄されたことで、改めて自分の立ち位置に気づかされたという。
「全国版の雑誌に帝王は帝王でも‘無冠’と書かれてね(笑)。さすがにこれは格好悪いなと。この異名をとにかく返上させたいと思い、照準を総合優勝ではなく、全国タイトルに切り替えました」。
といっても1レース、1レース、単発で見た場合、結果を残してきた長年の管理に変化をつけるつもりはもちろんない。戦力も‘ダワンス’、‘ローセンス’、‘ジョニ黒’、‘ブロアレーザー’の4筋で全レース優勝鳩を生み出しているゆえもちろん固定だ。では何に変化をつけたのか。それは配分だ。埼玉連盟の場合、地区NとGPのインタバールは良くても1週間程度。連闘はほぼ不可能という状況である。奥住氏はダービーも兼ねた地区Nに全力投球であるゆえ、GPは2軍以下の戦力で臨むのが常であった。長距離でも戦力を均等に分散させており、全国を狙うのであれば、このスタイルでは正直、厳しいかもしれない。 奥住氏は地区NとGPは均等に戦力を分け、長距離は桜花賞一本に。管理、戦力共にすでに国内トップクラスの水準に達していており、わずか2年目で前述の成果――‘シルバー賞’を受賞。翌14年には順位を一つあげ‘ゴールド賞’に輝くと、年間の総合タイトル‘日本優秀鳩舎賞’までも獲得する。かくにも奥住氏の本懐「無冠の帝王の返上」は短期間で果たされた。
奥住系集大成がGPを制覇
15年もその総合力は据え置きで300キロ、Rgと連続で中地区を制覇! 続くGPでは堂々の総合優勝を果たす。前述通り彼の鳩舎は連盟の西…。しかも耐久戦ならその勝利も頷けるのだが、分速1200メートル台の実力戦での成果だ。それだけに周囲の度肝を抜いたことは言うまでもない。
見事なまでの‘単羽飛翔能力’を体現したヒーロー‘レーザーGP号’は、奥住系の集大成のような1羽である。父親は‘ダワンス’、‘ローセンス’、‘ジョニ黒’で作り上げられた同氏の最高傑作‘CHエースクイン号(04年総理大臣賞全国優勝・日本エースピジョン賞全国1位)’の全兄弟と埼玉連盟地区N総合4位、中地区を制したチャンピオンとで創出されたトリ。10年、万羽レースとなった埼玉連盟Rg総合優勝の全兄弟でもある。一方の母親は250キロ8位などの記録鳩で第4の核‘ブロアレーザー’にオルレアンN優勝の‘オルレアン号’、短距離プロヴィンシャルエースピジョン賞1位の‘マベール号’の孫鳩で、実に4分の3がヨーロッパのチャンピオンバードだ。父親の「10KA50223」、母親「12KA23038」ともにタテ・ヨコ・ナナメに実績を挙げており、ラインとして一級品であることは言うまでもない。
今後、‘レーザーGP号’は種鳩としての第二の人生を歩む予定だが、系統の実績と写真をみてわかるように遺伝力の象徴だと言われるアイバンドがくっきり表出されている。成功の確率が高い分、今後の活躍に注目だ。 桜花賞も順調に消化し、雑誌社主催の地区チャンピオン賞の規定クリア、春の王者‘ブロックチャンピオン賞’に関しては初受賞を決めている。日本優秀鳩舎賞の規程もかなりの好入賞率でクリアをしており、秋のRg次第ではあるが、春の終了時点で2年連続も充分狙えるポジションだ。
奥住氏は更なる上――‘日本一’を狙うにあたって、新戦力の見直しに力を入れている。とりわけ長距離系には注目しており、オランダ長距離界の超新星・アリヤン・ビーンズの飛び筋や今年のアジャンZLU優勝鳩‘バロテッリ’にも流れるオランダ鳩界の知られざる銘種鳩‘ド・ドーン’の筋、そしてサンバンサンN8位、ダックスN16位のNPO超長距離ナショナルエースピジョン賞1位‘ド・ジャック(De466)’といったスーパーチャンピオンを導入(レース鳩誌12月号に登場/外部サイト・日本鳩レース協会)。これらはすでに奥住鳩舎にて羽根を休め、再来年からこれら新戦力は、本格的に始動するとのことだ。 オールラウンダーとして盤石の体制を築きつつある奥住氏。真の帝王として存在感を強めている彼だけに総合タイトルの頂点‘クラウン賞’、そして‘日本最優秀鳩舎賞’を手にする日は確実に近づいてきている。
ついに公開! 新戦力――2014年NPO超長距離ナショナルエースピジョン賞1位「ド・ジャック」
ド・ジャック(De466)
NL11-1949466 DC ♂ ジャック・ド・ターク作翔
2014年
NPO超長距離ナショナルエースピジョン賞1位、サンバンサンN18,381羽中8位・セクターⅠ 9,757羽中3位、ダックスN・セクターⅠ 8,398羽中17位
Father | Grandfather |
NL08-17732149 DC ジャック・ド・ターク作翔 11年ベルジュラックN・プロヴィンシャル72位 |
NL99-1198686 DC J.H・ローイマンス作 ヘットヤネケの近親 ヤンテーレンの“ド・10”、メールヴァイクの基礎鳩“ピコ”のライン |
Grandmother | |
NL01-2179749 DC ジャック・ド・ターク作 基礎鳩“ド・171”(2年連続長距離Prov.エースピジョン賞)の娘 ウィム・ミューラー ヴァイナンツ系 |
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Mother | Grandfather |
NL07-2049196 DCW ジャック・ド・ターク作翔 11年ベルジュラックN・プロヴィンシャル133位 カイパー、ヤンテーレン、ファンヴァンローイ系 |
NL05-1641349 DCP フリッツ・ファンヴェルドホーウェン作 |
Grandmother | |
NL03-1400265 DC ジャック・ド・ターク作 上記“ド・171”の父×孫 |
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2015年春埼玉ブロックGP総合優勝
レーザーグランプリ
14KA32910 B ♀ 奥住 豊鳩舎作翔
2015年春埼玉ブロックGP1,186羽中総合優勝(実距離:747.702K/分速:1257.064m)
Father | Grandfather |
10KA50223 BW 新井 繁鳩舎作 全兄弟/白鶴レジョナルクィーン(10年埼玉Rg11,301羽中総合優勝) |
04KA13892 B 奥住 豊鳩舎作 全兄弟/CHエースクイン号(日本エースピジョン賞全国1位&総理大臣賞全国優勝) |
Grandmother | |
07KA04411 BW 新井 繁鳩舎作翔 08年埼玉地区N中地区優勝・総合4位 (カンピオン×オルレアン)×キッド・中田ボルドー系 |
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Mother | Grandfather |
12KA23038 BW 奥住 豊鳩舎作翔 13年春250K8位 12年秋Rg10位他入賞多数 |
04KA16551 BC 奥住 豊鳩舎作 オルレアンN優勝のオルレアン×(フェルホールト×キッドの娘) |
Grandmother | |
10KA08254 B 奥住 豊鳩舎作 ブロアレーザー×マーベル(短距離プロヴィンシャルエースピジョン賞1位) 全兄弟の直仔/13年埼玉600K中地区2位、埼玉中地区400K2位、14年埼玉Rg中地区6位 |
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奥住系の二大ライン